因島総合病院長より
因島総合病院のご紹介と沿革
~因島総合病院のご紹介 ~
因島総合病院 病院長 山本頼正
因島総合病院、院長の山本頼正です。
2024年は当院の開設から107年目になります。当院ではここ数年の医師体制の悪化による診療縮小の方向を昨年度から改善しつつあり、病院体制上可能な限り、地域の患者さんの緊急入院や近隣の高次医療機関からの転院患者さんの受け入れを積極的に行っており、今年度もこの方針を継続していきます。
しかしながら今年度は、外科、眼科、耳鼻科を終了せざるを得ず、地域の方々にはご迷惑をおかけしております。地域の他の医療機関との連携を強め、誠実に対応していきたいと思っております。
一方、今年度は新たに整形外科、小児科の常勤医師を迎えることができ、整形外科、小児科は毎日の診療が可能となりました。また以前から多くの患者さんに通院していただいておりますリウマチ科の外来も増設できましたので、是非ご利用いただければ幸いです。
今年度は昨年同様に物価・エネルギー価格の高騰の影響により、当院の運営における見通しはきびしい事を予想しております。
昨年秋に発表された、全日本病院協会による全国1,116病院のアンケート調査では、2022年度はコロナ補助金を除くと、60.1%の病院が赤字で、病床100床あたりでは、年間7000万円の赤字となったそうです。その要因の一つとして、人口の自然減少に伴う病院稼働率の低下があげられています。当院の医療圏(因島、瀬戸田、上島町)においても年々人口は減っていますが、一方で人口の高齢化が進んでいるため、いましばらくはこの地域は高齢の方々の人口は減少しないことが予想されています。今年度は令和6年ですが、昭和でいうと99年にあたり、団塊の世代と呼ばれる昭和22年から24年生まれの方々が、今年度は全員75歳以上の後期高齢者になるためです。このため、当院では主に高齢の患者さんを対象とした内科、透析科、整形外科の診療と、この医療圏唯一の常勤医による小児科の診療を柱に、今年度も病院を運営してまいります。
昨年からのコロナ禍終息に伴い、しまなみ海道、ゆめしま海道が観光地としてテレビなどでも取り上げられることが多くなっており、国内だけでなく、海外からの旅行者も増え、地域が活気づいており、大変うれしく思っています。しまなみ海道、ゆめしま海道の発展は、この地域の方々の地道な努力によるものであり、その方々が安心して受診できる医療を提供することが当院の使命です。昨年度と同様に、職員全員が心を一つにして前向きに医療に取り組んでいく所存ですので、今年度も因島総合病院をよろしくお願いいたします。
~ 因島総合病院の沿革 ~
明治44年11月 | 瀬戸内海で最も風光明媚な因島に日立造船(旧:大阪鉄工所)が明治44年11月に因島工場を開設。 |
大正6年12月9日 | 第1次世界大戦の空前の造船景気の時に職員と家族の福利厚生のため、工場西に隣接して病院を創設。 90床余の木造モルタル2階建て、延べ床面積1,920m2の洋館は、県下屈指の病院として威容を誇りました。 |
昭和18年 | 太平洋戦争中、直営病院として120床に増床。地域の要望にこたえ、一般住民の診察も開始。 |
昭和36年4月 | 会社直営の病院から日立造船健康保険組合の運営として改組。 |
昭和36年11月 | 病院建物を新築。 |
昭和48年 | 南棟を増築し203床に増床。 |
昭和53年1月 | 因島総合病院として改称。 |
昭和53年4月 | 二次救急指定病院に指定。 |
昭和57年3月 | 救急等を増築。~透析医療を開始~ |
昭和63年3月 | リハリビ棟改築。 |
平成5年4月 | 職員のため、院内託児所を開設。 |
平成6年 | 199床 |
平成8年 | 180床 |
平成14年3月 | 透析センター(30床)を新築。~慢性腎不全に治療にも力を注ぐ~ |
平成21年4月 | 一般病床120床、医療型療養病床40床 |
平成27年4月 | 院内託児所を事業所内託児所として地域に開放。 |
平成28年4月 | 病児・病後児保育室を開設。 |
令和元年12月 | 一般病床101床(41床は地域包括ケア病床)、医療型療養病床40床 |
令和2年3月 | 一般病床83床(41床は地域包括ケア病床)、医療型療養病床32床 介護医療院8床 |
令和5年3月 | 因島総合訪問看護ステーション開設 院内託児所休所 |
令和5年7月 | 一般病床83床(57床は地域包括ケア病床)、医療型療養病床32床 介護医療院8床 |