ぎっくり腰とは

突発性腰痛症で、重いものを持ち上げたり、腰を捻ったり、長時間中腰姿勢を強いられるなど腰に過度のストレスがかかった場合に起こります。

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メカニズム

  • 腰椎椎間関節包や黄色靭帯、椎間板、背筋などに小さな損傷や捻挫が生じて起こる。
  • 骨粗鬆症などがあると、小さなストレスで椎体骨折が生じる。
  • 腰椎椎間板ヘルニアの初期。

家庭での対処方法

  • まず安静を。 多くは数日以内で改善します。
    痛い側を下にした横向きで少し腰を曲げて寝るか、仰向けで膝下に座布団などをいれて寝ると楽です。
  • 腰にさらしを巻くのも有効で、市販のやわらかいコルセットも効果があります。
  • 痛み止めの服用は数日にとどめましょう。
  • 腰痛が改善してきても、痛みが生じる動作は控えてください。
  • 1週間以上腰痛が持続する場合には、病院を受診しましょう。

病院での検査、治療

  • 単純レントゲンやMRIで、骨や靭帯、椎間板に損傷があるかを検査します。
    また、尿管結石も腰痛の原因になりますので、血液検査や尿検査を行います。
  • 新しい腰椎圧迫骨折があれば、硬めのコルセットを装着します。
  • 椎間板ヘルニアで、下肢筋力低下(いわゆる麻痺)や排尿障害があれば、入院が必要になります。
  • 腰痛が治まってくれば、牽引療法や温熱療法を行い、再発防止に腰痛体操を指導します。
  • 肥満があれば、ダイエットも指導します。

鑑別すべき疾患

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板の中にある髄核が、繊維輪を穿破して脊柱管内に突出します。
神経根を圧迫すると、坐骨神経痛が生じます。
多くは片側の下肢の痛み、しびれです。
消炎鎮痛剤やリハビリ、ブロック注射でよくなりますが、数%はヘルニアをとる手術が必要になります。

腰部脊柱管狭窄症

60歳以上に多く、老化変性した椎間板の膨隆、椎間関節や黄色靭帯の肥厚で脊柱管内が狭くなり、神経を圧迫します。
多くは両側の下肢の痛み、しびれで、長く立っていたり歩いたりすると症状が増強し、腰掛やしゃがみ動作で症状が軽快します。
脊柱管内の血行が良くなる薬やブロック注射でよくなりますが、症状が改善しない場合には脊柱管を広げる手術を行います。