変形性膝関節症とは
- 膝の関節軟骨の変性や摩耗が原因の慢性・進行性の変形関節疾患です。
- 1次性(加齢・筋力低下・肥満)と2次性(代謝性疾患・外傷・先天性異常等の原因のある)に分けられます。90%以上は1次性関節症と言われています。
- 日本人の多くは内反変形(O脚)を取ります。
男女比及び好発年齢
- 50歳代で発症し、65歳以上で急増します。また、1:2~1:4で女性に多い病気です。
症状
<初期>朝に膝に違和感・こわばりの出現
- 起床時の一歩目の膝の違和感が最も早く現れる症状です。この段階では、動作時のみの痛みですが、一時的でしばらく休むと痛みがなくなる場合が多いです。一時的な痛みだけで本格的な変形性膝関節症にならずに軽快する場合もあります。
<中期)症状が簡単には治らない
- 初期症状を放置しておくと、徐々に進行して症状が悪化していきます。痛みの頻度が多くなり、膝の関節可動域(曲げる・伸ばす)が阻害され、正座やしゃがむ動作の際痛みが生じる事があります。また、炎症が生じて膝の周辺が腫れたり、熱をもったりします。さらに、膝に水がたまって膝を曲げると張って重だるくなります。膝の変形が目立ち、膝に力のかかる動きをすると異音(パキパキ・ゴリゴリ)を自覚します。
<末期>さらに痛みが強くなります
- さらに放置すると、日常生活に支障が起こるほどの痛みになります。その為活動・行動範囲が狭まります。骨の変形が進行するので外見的にも関節の変形が目立ちO脚となります。
診断
<問診>
- 医師による現在の症状、状態の把握を目的に行います。(現在困っていること、過去に膝をケガしたか等)
<画像診断>
- レントゲン検査(X線):関節軟骨の摩耗や骨棘の程度、膝変形の有無の確認に用いられます。
- MRI検査:関節軟骨・半月板の損傷がX線だけではわかりにくい場合、手術の検討時などに用いられます。
<関節液検査>
- 膝に炎症が起こり腫れている場合、注射器で関節液を抜き取りその状態で病気の診断をします。
治療
<保存療法>
- 日々の生活の改善(運動習慣・正座や膝に負担のかかる動作を避ける・杖を使う等)
- 運動療法(有酸素運動・下肢筋力強化)
- 薬物療法(抗炎症剤内服・関節内注射)
<手術療法>
- 骨切り手術
- 人工膝関節置換術(TKA)
- 関節鏡下手術
変形性膝関節症に有用とされる運動
※痛みの強い場合、姿勢の取れない場合等の時は運動中止してください。できる範囲での運動が推奨されます。