- 近年、治療薬であるマクロライド系抗生物質の耐性をもつマイコプラズマ感染症(マクロライド耐性マイコプラズマ)が小児に多く見られます。
- マクロライド耐性マイコプラズマが発見されたのは2000年からで、その後、耐性率が増加傾向にあり、この耐性化は全国規模で見られています。
マクロライド耐性マイコプラズマはマクロライド系抗生物質全般に耐性化しています。
以前は優れた効果が見られたマクロライド系抗生物質の投与にもかかわらず、その効果が見られない遷延化例や重症化例が増えたのはこのためと考えられています。
- 現在、マイコプラズマ感染症と診断され、マクロライド系抗生物質で治療したにもかかわらず、症状が改善せず、 入院加療となった患児には、多くの場合、テトラサイクリン系であるミノマイシンという抗生物質を使用せざるを得ない状況にあります。
現在ミノマイシンには耐性菌は認められていませんが、必ずしも抗菌力に非常に優れているわけではなく、 ミノマイシンで治療されている入院加療患児の30%の例には他剤の併用が行われているという報告もあります。
より効果的な新薬の登場が望まれます。
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