■肺炎について
日本人の死亡原因は、癌・心疾患・脳血管疾患の順ですが、第4位の死亡原因は肺炎です。
肺炎の原因となる菌はたくさんありますが、私たちが暮らしていく中で感染する原因菌のトップは肺炎球菌という名前の菌です。
■肺炎球菌とは?
肺炎球菌は、ダンゴを2つ並べたような外観をした菌です。
肺炎だけでなく、髄膜炎や中耳炎などさまざまな病気を引き起こすことが知られています。
また困ったことに、最近抗生物質に強い肺炎球菌が増えてきていることも報告されています。
■肺炎球菌による肺炎になると?
肺炎にかかると咳や痰、息苦しさ、発熱などの症状が出現し、症状がひどい場合は入院しないといけないこともあります。
肺炎球菌は病原性が高いと言われています。
特に、ご高齢の方、心臓や肺に病気をもっておられる方、糖尿病の方は症状が重くなったり、病気の進行が早くなることがあり、注意が必要です。
■肺炎を予防するには?
肺炎から体を守る心がけとして、家に帰った後のうがいや手洗い・適度な運動・体の清潔を保つなどの基本的なことを実行することが最も大事です。
また、冬場になるとインフルエンザが流行しますが、インフルエンザにかかると肺炎を起こしやすいことが知られており、インフルエンザワクチンを接種することも重要です。
さらに、肺炎の原因菌のうち肺炎球菌については、「肺炎球菌ワクチン」があり、感染予防に重要であると考えられています。
■肺炎球菌ワクチンとは?
ワクチン注射 肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌によって引き起こされる様々な病気を予防するためのワクチンです。
残念ながら肺炎の原因菌すべてを予防するわけではありません。
しかし、肺炎球菌ワクチン単独、またインフルエンザワクチンと併用することで、肺炎による死亡率を抑えられると言われています。
インフルエンザワクチンは毎年接種する必要がありますが、肺炎球菌ワクチンは1回接種すると5年以上効果が持続します。
肺炎球菌ワクチンは、ご高齢の方や、心臓や肺に病気をもっておられる方、糖尿病の方などに接種をおすすめします。
詳しいことは、内科外来担当医に相談してください。