【食中毒とは?】
【概念】
食物の中で増殖した細菌・ウイルスを摂取して発症します。
共通した食品を摂取してから、同一集団に同じ症状が出現します。
【原因】
1)細菌性、2)ウイルス性が主です。
(感染性)感染症状を主とします。
(毒素性)細菌が発生する毒素による症状を主とします。
潜伏期 | 原因食 | 発熱 | 腹痛 | 嘔吐 | 下痢 | |
(細菌性:感染性) | ||||||
腸炎ビブリオ | 10~20時間 | 魚介類 | 2+ | 3+ 疝痛様 |
2+ | 3+ 水様血便 |
サルモネラ | 12時間前後 | 肉・卵・サラダ | 3+ 高熱 |
2+ | 3+ | 2+ 粘血便 |
病原大腸菌 | 1~3日 | 特定の物なし | 2+ | 1+ | 2+ | 水様 |
ウエルシュ菌 | 12時間前後 | 肉・魚介類 | なし | 3+ 疝痛様 |
1+ | 水様 |
カンピロバクター | 2~10日 | 鶏肉・サラダ | 3+ 高熱 |
2+ | 1+ | 1+ 水様血便 |
(細菌性:毒素性) | ||||||
黄色ブドウ球菌 | 3時間 | 乳製品・かまぼこ | 1+ | 1+ | 3+ | 1+ 粘液便 |
ボツリヌス菌 | 16~36時間 | いずし・キャビア | 1+ | 1+ | 1+ | ± 神経症状 |
(ウイルス性) | ||||||
ノロウイルス | 1~2日 | 二枚貝・カキ | 2+ | 2+ | 2+ | 2+ 水様 |
【症状】
発熱・嘔吐・下痢・腹痛。
【検査】
細菌性:便培養。 ウイルス性:ノロウイルスの迅速抗原検査。
【診断】
上記検査を参考に、食事後の発熱・嘔吐・下痢・腹痛について、「〇〇〇による食中毒」と診断します。
【治療】
脱水症に対する補液療法が主体。施胃腸薬・制吐薬・鎮痛薬を使用。
感染性細菌性食中毒では抗生物質を投与します。
【予後】
上記の治療で軽快します。
【予防】
ノロウイルスによる食中毒の場合
ノロウイルスの感染経路:経口感染・空気感染・飛沫感染の3通りです。
したがって、標準予防策(マスク・手袋・ガウン)を行い、吐物・便のついた物は、次亜塩素酸ナトリウム(®ハイター)で消毒します。
さらに、手洗いが大切です。