【どんな病気ですか?】

4月から続く緊張の糸がゴールデンウイークで切れ、5月に休みが明けて心身に原因不明の不調をきたす状態のことです。
医学的には、新しい環境についていけないことで起こる精神疾患で『気分障害』(うつ病)、あるいは『ストレス関連障害』(適応障害)などと診断されることが多いです(「五月病」は正式な病名ではありません)。

【どんな人に発症しますか?】

高校や大学の新入生、新入社員だけでなく、『転勤、出向』などの配置転換、昇任、降格、転職、リストラ、大きなプロジェクトを終えた後の『燃え尽き症候群』など「変化が多かったり大きかったりでストレスがかかっていた人」に、職場(学校)に対する不適応として発症します。「真面目」「責任感がある」「几帳面」「完璧主義」な人がなりやすいと言われています。

【症状は?】

身体症状:頭痛、肩こり、動悸、めまい、胃腸の不調、嘔吐、発熱、不眠。
精神症状:不安、気分の落ち込み、怒りやイライラ、集中力の低下、無気力、疎外感。
行動の変化:欠勤や遅刻、過食や過度の飲酒、暴言、引きこもり。

【診断は?】

「適応障害」や「うつ病」の診断がつくことがあります。

【治療は?】

1)精神療法:医師が患者さんのお話を伺い、一緒に解決策を考える。

2)薬物療法:必要に応じてベンゾジアゼピン系薬剤やセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を開始する。

【予防法は?】

1)ストレスをためないようにする。
ストレスがたまったら、家族や友人に話を聞いてもらう。軽く体を動かす、音楽を聴く、絵を書く、読書をするなど、自分に合ったストレス解消法を身につけましょう。

2)張り切りすぎないようにする。
上司とコミュニケーションを取り、いつまでにどのくらいの成果をあげればよいかをきちんと計画しましょう。

3)ゴールデンウイークの過ごし方
仕事を忘れてリラックスするとともに、生活のバイオリズムを崩さないようにしましょう。(徹夜で遊ばない、寝だめしないなど)

【参考文献】診断と治療:Vol99.No4. 698-701.2011.