前立腺の検査について
高齢男性の排尿で困る代表的な障害が前立腺肥大症による排尿障害です。
前立腺は男性の膀胱の下で尿道をとりまくようにある臓器です。
前立腺の役目は分泌される前立腺液により精子に栄養を与え、精液の大部分を占めます。(下図参照)
前立腺肥大症
40歳代から前立腺の肥大が始まり60歳の男性では約50%、80歳では80%の人が前立腺肥大症になるといわれます。
前立腺肥大症の自覚症状
閉塞症状
排尿が始まるまでと終わるまでに時間がかかる
(尿をしている時間が長い)
尿線が細くなる(尿の勢いが弱い)
すっきりと出切らずに残尿感がある
いきまないと尿が出ない
刺激症状
昼間の排尿の回数が多い(2時間以内にまた行く)
夜間に3回以上トイレに行く(夜間頻尿)
急に排尿したくなる(尿意切迫)
排尿が我慢できず失禁する(切迫性尿失禁)
前立腺肥大症の検査
排尿機能:尿流率測定と残尿測定
直腸指診
尿検査、腎機能評価
経直腸的超音波検査(前立腺形態評価)
MRI検査
前立腺生検(癌が疑われた場合)
前立腺肥大症の症状は前立腺癌(がん)の症状と極めて似ていますので、 自己診断で前立腺肥大症と決めないで定期的に検診を受けたり、 血液検査(PSA検査)をして早期発見をしましょう。
前立腺癌の検査
前立腺癌の腫瘍マーカーPSAの検査
PSA:前立腺特異抗原(prostate specific antigen)
前立腺癌ではPSA値の上昇が特に著明なためにスクリーニングに利用されます。
前立腺癌は血液検査で早期発見が可能な数少ない癌です。
約 1mL の血液で検査が可能です。