褥瘡とは

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  • 褥瘡が出来てしまう時間は、仰向けに寝ている場合は一般的に2時間程度と言われています。
  • もちろん健康な人が夜眠っていても褥瘡は出来ません。
    なぜなら健康な人は15分に1回程度は無意識に寝返りをうっているため、同じ場所に一定の圧迫が持続することを自然に回避出来ているからです。
  • 逆にいえば自分で体を動かすことが出来ない寝たきりのお年寄りやなんらかの病気で麻痺を起こしているような方に起こりやすくなります。

褥瘡が出来やすい部位と原因

  • 仰向けに寝ていても、座っていても、当然骨がとびだしている部位には圧力が集中してしまいますので、 仙骨部(おしりの中央部分)、大腿外側、腰骨側面、足の踵、肩などにできやすくなります。
  • 褥瘡が出来る直接的な原因は圧迫やズレですが、褥瘡が発生、悪化しやすくなる要素としては、 寝たきり、栄養状態、全身状態の低下、関節拘縮(長期にわたる寝たきり生活などで関節が固まり、動かなくなること)、 失禁による皮膚の湿潤環境などが挙げられます。

褥瘡の症状

  • 見た目の変化として、程度が軽ければ皮膚が赤くなることだけのこともありますが、 少し程度が進むと、水ぶくれや紫斑(内出血)、びらん(皮膚の浅い欠損)などを生じます。
  • このような比較的軽症の時期は痛みが生じますが、症状が進行してしまい皮膚や皮下組織(脂肪や筋肉など)が壊死して潰瘍(皮膚の深い欠損)を生じてくると、 痛みが逆に少なくなることが多く、痛みが減ることが必ずしもよくなっているサインではないことがありますので、注意が必要です。
  • 壊死してしまった組織は化膿しやすいため、悪臭が増した際には二次感染を起こしていることもあるので注意が必要です。 時には高熱が出たり全身性の感染症になってしまうこともあります。

褥瘡の治療

  • 褥瘡は基本的に皮膚や皮下組織の欠損ですので、局所治療を主に行っていくことになります。
  • 褥瘡の重症度や状態によって治療方法は様々ですので、 不幸にして褥瘡が出来てしまったらまず医療機関を受診していただくことが必要になります。
  • 褥瘡は一度出来るとなかなか治りにくいことも多く、なにより予防が大切です。

褥瘡の予防

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